====================================================================== 日本語ドメイン名URLクリック対応アプリケーション開発者ガイド 〜メーラー編〜 2007年1月29日 第2版 JPRS ====================================================================== 1. はじめに この開発者ガイドは、日本語ドメイン名URLがクリック可能なメーラーを作る ためのガイドとなることを目的とします。具体的には、クリック可能となるべ き日本語ドメイン名URLの表現形式、およびその処理方法について、規定して います。 なお、本ガイドで示す仕様は、RFC 3986 "Uniform Resource Identifier (URI): Generic Syntax"から基本的な仕様部分を抜き出したものであり、従来 の英数字ドメイン名URL認識方式の上位互換となっているため、英数字ドメイ ン名URLは、これまでと同じ処理となります。 すでに英数字ドメイン名URLのクリック対応機能を持つメーラーの場合、本ガ イドに従った拡張は、小規模の機能追加で可能と考えられます。 本ガイドの最新版は、以下のURLに掲載しています。 2. メーラーの定義 (1) 利用者が電子メールの受信、閲覧、保存、作成、送信、その他操作を行う ためのアプリケーションソフトウェアをメーラーとする。 (2) メーラーの動作環境は、PC(Windows、Mac、Linux等)、携帯電話、Webサー ビス、その他(PDA、KIOSK端末等)とする。 3. 日本語ドメイン名URLの定義 (1) http:// または https:// のいずれかで始まること。 mailto: で始まるURIは対象外としてもよい。 (2) URLのホスト部に1文字以上の「区切り文字」を含むこと。 「区切り文字」とは、以下の4文字の任意の1文字とする。 - ピリオド(U+002E) - 全角ピリオド(U+FF0E) - 句点(U+3002) - 半角句点(U+FF61) ※カッコ内のU+nnnnはUnicodeのコードポイントを示す。 (3) ホスト部に1文字以上の非ASCII文字を含むこと。 (4) URL全体がアングルブラケット(<>)またはダブルクォーテーション("") で囲まれていること。もしくはURLにホワイトスペース(スペース、改行、 タブ等)が後続すること。 ※URLを囲むアングルブラケット、ダブルクォーテーション、およびURLに 後続するホワイトスペースは日本語ドメイン名URLには含まない。 ※ホワイトスペースには全角スペース(U+3000)も含むものとする。 ※本表記法はRFC 3986 "Uniform Resource Identifier (URI): Generic Syntax"のAppendix Cから抜き出したものである。 ※例: "http://日本レジストリサービス.jp" (行頭)http://日本レジストリサービス.jp(行末) 4. 対象とする日本語ドメイン名URL (1) メール本文(本体部分)に含まれる日本語ドメイン名URLを対象とする。 メールヘッダ部分に含まれる日本語ドメイン名URLは対象外としてもよい。 (2) メール本文の形式は、テキスト形式、HTML形式を対象とする。 テキスト形式の場合は、受信・保存したメール本文に含まれる日本語ドメ イン名URLを対象とする。 HTML形式の場合は、送信の際にメール本文に含まれる、日本語ドメイン名 URLに対して設定されるアンカーを対象とする。 5. クリック対応の定義 (1) 日本語ドメイン名URLに対する、ユーザーインターフェース上(画面表示 およびカーソル移動上等)の扱いが、英数字ドメイン名URLに対するもの と同様であること。 (2) 日本語ドメイン名URL上にカーソルを移動し、実行キー押下やクリック等 のアクションを起こしたときに、対応する適切なアプリケーションソフト ウェアを自動起動すること。 (2-1) PCなど、IDN標準対応ブラウザが整備された環境では、日本語ドメ イン名URLをそのまま引き渡してよい。 (2-2) 携帯電話など、IDN標準対応ブラウザの整備が不十分な環境では、 日本語ドメイン名の部分をPunycodeに変換(*)したURLを引き渡す こと。 (3) 自動起動されたアプリケーションソフトウェアが、メーラーから引き渡さ れた日本語ドメイン名URLを正しく理解し、かつ、正しく日本語ドメイン 名URLへのアクセスを行うこと。 (*) ここでは「Punycodeに変換」とは、既定のアルゴリズムに従い、入力され たIDNをxn--で始まるASCII文字列に変換することを指す。日本語ドメイン 名をPunycodeに変換するためのライブラリは、 から無償でダウンロード可能。 ■更新履歴 2007年1月29日 第1版→第2版 ・本ガイドのURLを記載 ・日本語ドメイン名URLとして、ホワイトスペースが後続する形式を追加 ・その他、表現上の微細な修正 2006年12月27日 第1版